
嬉野町は、嬉野川の清流沿いにある、高温で湯量豊富な泉源を有した九州を代表
する温泉地のひとつです。その温泉とともに広く知られている嬉野茶。そのルーツ
は1440(永享12)年、平戸に渡ってきた唐人が、不動山皿屋谷に移住し、陶器を
焼くかたわら、自家用にお茶を栽培したのが始まりと言われています。
その後、1504(永正元)年に明の紅令民という人が南京釜を持ち込み、釜炒り茶を
伝授したのがきっかけとなり、嬉野茶550年の歴史となったのです。

釜炒り茶は、お茶の歴史での説明のように、中国
(明の時代)の製法を用いて製造されたと言われて
います。茶葉は一枚一枚が、丸くて(グリ茶)緑の
つやがあり、日本茶としては、大変めずらしく特徴の
あるお茶です。味は、他産地のお茶と比較しても香り
が強く、口に含んだ時の旨みは強く感じ、急須に入
れた茶葉は、開くまで何回も美味しく頂けます。 |

●うれしの玉露
嬉野町の立地(台地盆地)に適応した地域で肥培管理をして、茶園には新しいワラ
を一面に【かぶせ】て、直射日光を避けながらはを育てます。摘採時期には、緑の
濃い柔らかい葉が育ち、一芯三葉を丁寧に手摘みして造られた、嬉野茶独特な絶品
の味がいたします。
●うれしの蒸し製玉緑茶
嬉野茶の総生産の主流であり、一般的な煎茶の部類になります。種類は幅広く
【高級煎茶】から【普通煎茶】まで愛飲家には重宝される茶です。
摘んだ茶葉を高温にて蒸し、乾燥工程を経て造られた茶です。
茶の形状は、丸く玉緑茶(グリ茶)特有の色艶があり、香気も強く感じ口中では爽やか
で味わい深いお茶です。
●うれしの釜炒り製玉緑茶
うれしの茶のルーツを感じるお茶で、「蒸し製」よりも生産量は少なく希少価値を思わせる、
日本茶の元祖的なお茶です。
摘んだ茶葉を直接直火で炒りながら、製造工程を経て製品にします。
茶の形状は、多少大きくて、丸みを帯び釜擦り独特の艶があります。
味は、釜炒り特有の焙じ香があり、のど越しがさっぱりとしています。
◆和食や、特に油味の多い洋食に最適で、コレステロールを分解する作用もあり日常茶として推奨致します

@湿気を防ぐため機密性の高い容器を使いましょう。
A涼しく湿度の低い所に保管しましょう。
B開封後の保存のため、冷蔵庫を利用する時は、ラップ等で包んで他の匂いいがうつらない
ようにしましょう。

●昔お茶は薬だった
お茶は昔から不老長寿の妙薬と言われており、タンニンは「脂肪の酸化を抑えて老化を防ぐビタミンEの何倍もの効果がある」ことがわかりました。(岡山大学 奥田卓男先生による)
●お茶で成績アップ
お茶はカフェインが含まれているので、判断力、記憶力を高めたり、脳の働きを活発にし、気分転換や疲労回復にも役立つ効能があります。
●虫歯を防ぐ
お茶を飲むことで食べ物のかすが洗い流され、フッ素やタンニンの働きで虫歯になりにくい歯に造られていきます。
●ビタミンCもたっぷり
煎茶にはビタミンCが平均250mg(100g中)含まれています。ビタミンCは肌荒れを防ぎ、美容効果や、血管や脂肪を強化する作用があるのです。
●食中毒を退治
お茶には腸炎ビブレオ菌などの食中毒菌を殺す働きがあり、食事の時の一杯のお茶は、かかすことの出来ない妙薬です。 |
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【標準的なお茶の入れ方】
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玉露
(上) |
玉露
(並) |
玉緑茶
(上) |
玉緑茶
(並) |
番茶 |
ほうじ茶 |
湯の温度 |
50 |
60 |
70 |
80 |
90 |
90 |
侵出時間(秒)
(1煎目) |
150 |
120 |
60 |
50 |
30 |
30 |
2煎目 |
30 |
30 |
5 |
5 |
40 |
40 |
蒸し製玉緑茶 |
釜炒り製玉緑茶 |
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茶葉を蒸気で蒸して、酸化酵素の活性を失わせます(蒸すことによって茶葉を柔らかくします) |
約400度に熱した釜で直接茶葉を炒り、茶葉中の酸化酸素の活性を失わせ、釜炒り特有の香りを造ります。 |
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湿った茶葉を茶裁きしながら熱風によって加熱し、圧力と摩擦によって蒸した茶葉の組織をさらに乾燥して水分を蒸発させます。
(茶の品質、形状を整えます) |
やや長めに圧力と摩擦をかけ、直接加熱式の水乾機で乾燥させます。(直接加熱することによって、釜炒り茶本来の香味をさらにだします) |
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再乾機でさらに熱風による乾燥をし、丸型に整形します。 |
締め炒り機で直接加熱し、茶に締まりをあたえ、さらに香味を出し、丸形に整形します。 |
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最後の仕上げとして乾燥し、貯蔵しても風味を逃がさぬよう、含水率4〜5%にします。 |
貯蔵に適した水分含有量になるまで乾燥します。 |
貝原益軒がお茶のおいしい飲み方のもっとも重要なポイントとして「養生訓」のなかで「水を選ぶべし」と述べています。名水が手に入れられればいいのですが、一般的には水道水を使用する事になります。この場合には汲み置きして、カルキ臭をとり、必ず一度沸騰させ、お茶の質に合わせ冷まして使います。 |